PRというタイトルを背負って仕事をしていた時、私にとって決して心地が良いとは言えない何かがあった。でもそれが何なのか分からなかった。
ある時からヨガを始め、今まで以上に様々な思考の旅を経験するようになった。その中で「本当の優しさ」について考えることが増え、沢山のヨガ文献にも目を通した。そして最近、「本当の優しさ」とは見返りや期待を持たずに愛を与え続ける事ではないかと思い始めた。
そう気がついたとき、ふっと、あの「心地よさに反する何か」が何なのか、少しわかった。
人に何かを伝えるときに、雑誌に載せてもらうことやSNSに投稿してもらうことを期待しなければいけなかったその気持ち、それが評価の1つになると思っていたその気持ちが、心に反していたのだと。
良いものを伝えるときは、純粋に目の前に座るその人に「私が経験したこの感動を同じく経験してほしい」と思う、分かち合いの心で向き合いたい。
ヨガは、仕事であっても何であっても「全ての基本は優しさである」と教えてくれた。
雑誌掲載やSNSに投稿は何でもいい、まずは目の前にいる人に幸せな瞬間を味わってほしい。本当に感動してもらえたら、人間は自然とまたそれを誰かに伝えたくなるはずだから。一般に言うPR戦略に反しているかもしれないけれど、わたしが持つ戦略とは多分これしかない。
ある時からPRのタイトルは箱にしまい、タイトルが必要なときは「Communicator (コミュニケーター)」と書くようになった。